大学院留学記 in New York

コロンビア大学の修士課程でメンタルヘルス・カウンセリングを学んでいます。

ひとまず敗因分析(2016年4月回想録)

 出願準備再開の手始めに、まずはなぜ落ちてしまったのかを分析をしました。

 

  1. TOEFLのスコアが足りていない
  2. エッセイのインパクトが薄い
  3. 志望校に関する情報が不足している
  4. カウンセリングの分野での経験が皆無
  5. 推薦状を同分野に従事する人からもらえていない
  6. 出願先を絞り込みすぎた

 

 TOEFLのスコアが足りていない

 

 コロンビア大学からは、「スコアが100点を超えていないので審査を進められない」というメールを受け取りました。他分野の大学院留学を経験した知人やブログの話によると、スコアが条件を満たしていなくても合格できたという例もあるようですが、メンタルヘルス・カウンセリングではそうはいかないようです。カウンセラーになるには、クライアントとのコミュニケーションが欠かせません。また病院などで働く場合には、医師や他カウンセラーと共有するために、症状について詳細なレポートを書く必要があります。そうした背景を考えれば、英語の能力が重視されるのもうなずけます。昨年はTOEFLを全部で3回受けましたが、いずれの回も90点。勉強の成果が全く現れませんでした。そのことがトラウマになっている一方で、時間をかければなんとかなりそうという楽観もありました。

 

エッセイが弱い

 

 これは本当に頭が痛い。提出したエッセイは、自分で読んでいても最後まで読むのが億劫になってしまうような退屈さ。前回のエッセイは他力本願で進めてしまった結果、望むものが出来上がらずに大変悔しい思いをしました。今回はとにかく自分でできる限り仕上げようと心に誓います。米国内で売られているエッセイの参考書を数冊買って読んでみると、例として挙げられているエッセイはどれもハートを揺さぶるような情熱溢れるものばかり。どうやったらあんなエッセイが書けるようになるのか、皆目見当がつきません……とにかく不安です。

 

志望校に関する情報が不足

 

 前回は準備期間が短かったため、日程の合う大学説明会を見つけて参加することができませんでした。今年は説明会に参加して、より多くの情報を収集したいものです。また各大学の教授の論文を読んでみるのもよさそうです。参考書に載っているエッセイのほとんどには、「私はXX教授の研究論文を読んで感銘を受けました。ぜひメンターになっていただきたいと考えています」という内容が盛り込まれていました。自分がどの分野に興味があって、どの教授のもとで学びたいのか、を明確にすることで、エッセイをパワーアップさせることができそうです。

 

カウンセリングの分野で経験がない

 

 私の学部生時代の専攻も、これまでのキャリアも、全くカウンセリングとは関係がありませんでした。これがもしかすると一番の敗因だったのかもしれないということに、この年の9月に大学説明会に参加した際に気が付きます。どの大学の説明会でも、Admission Office (入学手続き課)職員も、教授も、皆口を揃えて「経験がない人には、カウンセリングの分野でボランティアをすることを強く推奨します」と話していました。この「強く推奨する」という部分は、実際には英語で “highly recommend” と話されていたのですが、この表現はほとんど “must” と同じくらいの強い意味を持ちます。なぜここまでボランティアを推奨するかといえば、経験なしでこの分野に飛び込んで、途中で辞退してしまう人が多いことが理由のようです。人の深い悲しみや怒りに寄り添うこと、精神障害を抱える人と真摯に向き合うことは想像以上にパワーを要することです。そうした人々を支えるということがどういうことなのかを少しも知らずに足を踏み入れて、打ちのめされてしまう学生を見るのは、大学側にとっても辛いことなのでしょう。これはボランティアをしないわけにはいきません。ボランティアをすれば、その分野での経験を積んで自信をつけられるだけでなく、ボランティア先の上司に推薦状を書いてもらえる、履歴書とエッセイに書ける、という大きなメリットもあります。

 

推薦状をカウンセリングの分野に従事する人からもらえていない

 

 私は学部生時代の教授と職場の上司から推薦状をもらいましたが、やはりその分野で活躍する人からもらうのが一番です。今回はボランティア先の上司にお願いするつもりです。

 

出願先2校は少なすぎた

 

 後に説明会に参加して知りますが、メンタルヘルス・カウンセリングは今とても人気が高い分野のようです。そして、10年ほど前にできた比較的新しい分野のため教授の数が少なく、よって定員がとても少ない。たとえばニューヨーク大学(NYU)の場合、定員50名のところに約600名が応募するそうです。これはもう少し志望校を増やした方がよさそうです。ニューヨーク市内にはNYUとコロンビア大学の他にも、私立・公立の大学がたくさんあります。早くリサーチを進めて、志望校を固めたいものです。

 

 こうして前回の敗因と、今回は何をすべきか、を整理していくと、次の出願までに9ヶ月弱しかないことに焦りを感じ始めました。焦りは募る一方ですが、仕事はどんどん忙しくなっていく……どうしたものか……。