大学院留学記 in New York

コロンビア大学の修士課程でメンタルヘルス・カウンセリングを学んでいます。

スタディー・バディー(2016年8月回想録)

 私は学部生時代にミシガン大学 (University of Michigan) へ9ヶ月間留学していたことがありました。留学期間終了後日本に帰国した私は、2014年にニューヨークに移り住むまで一度も米国を訪れてはいませんでしたが、メールやスカイプを通して、当時の友達とは連絡を取り合っており、気が付けばかれこれ10年来の仲になっていました。

 

 友人の多くはミシガンに暮らしているため、ニューヨークに移住してからも直接会うことはなかなか叶いませんが、ラッキーなことに、そのうちの一人が自宅から30分の距離に住んでいました。心優しく、豊かな感性を持ち、しかもとても男前のデイビッドです。

 

 デイビッドは生まれも育ちもマンハッタンという生粋のニューヨーカーですが、学部は親元を離れて遠くの大学に行きたいとミシガン大学を選び、卒業後もしばらくミシガンに暮らしていました。経営学を専攻していた彼は、卒業後にはマーケティング会社に就職していましたがキャリアについて悩み、故郷に戻って大学で講師や家庭教師をしながら、本当にやりたいことを模索する日々を過ごしていました。

 

 そんなある日、デイビッドから一本のメールが。医者になることを決意し、これから受験勉強が大変になりそうだというのです。私の近況を報告すると、

 

「なんてグッドタイミング!スタディー・バディー (Study Buddy) になろう!!」

 

という返事がすぐに返ってきました。

 

 こうしてデイビッドと私は一緒に勉強するようになりました。彼は医学部進学に必要なMCATというテストの勉強、私はTOEFLやエッセイの準備に明け暮れました。カフェや図書館、大学のロビーなどで一緒に勉強をし、帰り道には当時流行っていたPokemon Goでモンスターを捕まえては見せ合ったりして、子供の頃の戻ったように楽しく充実した毎日でした。デイビッドはゲイだからなのか、同性の友達といるときのようにくつろげて、気持ちも通じ合っているように感じられ、日本にいる友達への恋しさが少し和らぐようでした。

 

 デイビッドは勉強の合間に、TOEFLスピーキングの練習によく付き合ってくれました。そして、大学の冬休みが始まる12月中旬になって講師の仕事がひと段落したら、エッセイの添削もしてくれると約束してくれました。本当に心強いスタディー・バディーを手に入れて、ますます浪人生活が楽しくなっていきました。